焼津水産高校生徒が田牛地区の漁村活性化を研究
イーラパーク体験隊の神南です。
高校生が「地域活性化を考える」取り組みがありましたので皆さんにもご紹介させていただきます。
以前、本ブログにて沼津の内浦漁港での漁業体験をご紹介させていただいたことのある
焼津水産高等学校様。
8月25日から27日までの3日間、下田市の田牛地区に生徒さんが滞在し同地区の漁村活性化について研究をするフィールドワークを行なうということで、最終日の研究発表会に私も招かれました。
発表前に最終仕上げをしている焼津水産高等学校 流通情報科3年生の男子生徒4名。
本研究活動は、文科省と水産庁の共同事業地域産業の担い手育成プロジェクトの一環でもありますが、学年全体のものではなく、今回は彼らが自費参加であったとしても是非取り組みたいという強い思いから実施が決まったそうです。
地域を盛り上げていくためには、「よそ者、若者、バカ者」が必要だと言われますが、彼らは実に頼もしい、よそ者、若者達ですね!
研究発表会は、地元を代表して滞在先でもある民宿 下隠居の渡邊夫妻が聴講されました。
ご夫妻はこの土地で40年来民宿を営みながら、ご主人が伊勢海老漁をしています。
いよいよ準備が整い、少し緊張の面持ちで研究発表会が始まりました。
田牛滞在中の1日半を自らの足で歩きながら、当地区における観光資源の掘り起こしをしました。
また、地元住民へのインタービューを通じて漁村活性化に関する地元意識を情報収集するなど、限られた時間の中にも関わらず積極的なフィールドワークを行ないました。
そして自らが歩いた土地を活かした「イベント・ツアー」として
・田牛マラソン大会
・田牛ハイキングツアー
・伊勢エビ漁体験ツアー
を提案。
いずれも自らの足で歩きながら得た高校生ならではの目線から考えた企画内容です。
これらをブラッシュアップしていけば、いい企画になっていきそうですね!
また、成果品として「高校生の目線」を大切にした、オリジナルの散策マップを作成してくれました。
生徒が作った散策マップを渡邊ご夫妻も真剣にご覧になっています。
圧巻だったのは、ご当地ゆるキャラ「いせまるくん」まで作っていたこと(笑)
前日に4人でデザインコンペをしてこちらに決まったそうです。
オリジナル散策マップではしっかりと表紙を飾っていましたよ^^
発表会終了後は、皆で意見交換タイムです。
渡邊ご夫妻も、生徒の活動に感心している様子でした。
着地型観光はまず地元学から。 長年そこに生活している住民には馴染み過ぎて目に入って来なくなってしまっている「モノ」、「コト」の宝の山が沢山あります。
その田牛地区の歴史については渡邊ご夫妻が正に生き字引。
昔から伝わる当地の伝説から、当地区における漁業の現状、教育旅行の受入など様々な貴重な情報を入手することができました。
そして私も、実際に着地型観光に携わっている立場として、生徒さん達にいくつかアドバイスをさせて頂きました。
10月の最終仕上げまで、是非頑張って下さいね!
こちらは焼津水産高等学校の村松先生(左)と、今回生徒さんを引率された籾山先生(右)。
同校では、先にもご紹介した「地域産業の担い手育成プロジェクト」の一環として、生徒達が漁村へ行って、漁業、文化や歴史を学びつつ、高校生の目線で地域の活性化を考える今回の取り組みを支援していらしゃいます。
また同時に、生徒の自己効力感(進学や就職に対する意識)が高まるかどうかを、これらの活動を通して測定をしているという先進的な取組みを行なっております。
そして、研究会発表後には、渡邊さんからサプライズなプレゼントがありました。
伊勢海老漁でつかうあんばりです(網を繕ったり作ったりするための道具)。
これは全て渡邊さんの木製の手作りの品、糸のこぎりを使って1日7本程度しか作ることができない貴重なものです。
これら全てを惜しげもなく生徒さんたちへ記念にと。
渡邊さんのホスピタリティ精神を感じた瞬間でした。
そして最後は全員で記念写真。
今回の取材を終えて、「地域の魅力とは?」、「旅行者何を求めてここへ来るのだろう?」、「地域のために私たちができることは何だろう?」
そんなことを改めて考える機会を持つことができました。
地域活性化とは非常に便利な言葉ですが、それゆえにいろいろな方とお話をしていると、各自定義が異なるなと感じることもしばしばあります。
地域活性化の手法のひとつとして、私も取り組んでいる「着地型観光(体験型観光)」というものがあります。(これは全国どこでもベストな手法とは限りません)
そこには社会的活性化、経済的活性化という要素が盛り込まれています。
いずれにしても、彼等のような若者達が積極的に参加できる環境を私たち大人が築き、見守ってあげることが大切ですね。
今回も貴重な機会をいただきました、焼津水産高等学校様、そして、民宿下隠居の皆様、本当にありがとうございました。